ボトックス 多汗症治療

ボトックスとは、ボツリヌス菌の毒素成分から、Ａ型という血清型毒素だけを精製し、取り出した製剤を使った身体に害のない成分です。
美容目的で使用される10年以上前から70ヶ国以上の国で、顔面麻痺などの治療に使用されてきた治療薬ででもあります。
筋肉に作用して動きを弱める働きがあり、しわを作りにくくしたり、発汗抑制の働きがあります。
副作用や後遺症、アレルギーも非常に少ないのが特徴です。
わきの汗と臭いは、「エクリン汗腺」「アポクリン汗腺」の２種類の汗腺から出ていますが、ボトックスをの注射で交感神経の働きを弱め、アポクリン汗腺やエクリン汗腺の活動を抑制する働きがあります。
そういう理由で、汗の分泌量を抑えることができるのです。
ボトックスは、汗を抑える以外に筋肉の収縮を抑制する作用がありますので、ボトックスによる多汗症治療をした部分の筋肉が動かなくなってしまうのではないかという疑問も寄せられるようですが、筋肉と汗腺が存在する場所は深さが異なりますので、汗腺の適切な場所に注射をすれば、筋肉が動きにくくなるということはありません。
また、約半年サイクルで続けていくと、数年で汗腺が萎縮するといわれています。
今までの多汗症治療では、１泊の入院や、手術後の傷跡が残るなどの心配もありましたが、ボトックス注射は脇の下や手のひら、足裏など、多汗症が気になる部分に数箇所、注射をするだけですので、治療時間は15〜30分程度です。
個人差はありますが、効果は３〜６ヶ月程度です。
効果を持続させるには３〜６ヶ月おきの接種が効果的とされています。