ヨガとピラティスの違い
実はピラティスは、ヨガから派生して生まれたエクササイズです。
このため、ピラティスとヨガにはよく似た特性が多くあり、「ピラティスとヨガはどこが違うのか?」と疑問に思う人も少なからずいます。
ですが、ヨガとピラティスにはいくつかの決定的な違いがあります。
まず、ヨガとピラティスでは、呼吸法が違います。
ヨガでは腹式呼吸で行うのが基本となっていますが、ピラティスは胸式呼吸で行います。
この呼吸法の違いだけでも、エクササイズとしては根本的に違うものとなるでしょう。
さらに、動作の仕方や目標にも大きな違いがあります。
ヨガはゆっくりとした動きと止めのポーズにより、様々な効果を発揮します。
それに、人によっては難しいと感じるポーズも多いです。
ヨガの主な目的は、精神鍛錬といわれています。
ヨガをすることで、結果的に筋力がアップしたり、ダイエットできるということもあるでしょうが、一番の目的は精神的にリラックスしたり、ストレスを解消したりという心への効果です。
一方、ピラティスというのは、常に動いているエクササイズで、それほど無理な動きはなく、止めのポーズを保つということもありません。
ピラティスの主な目的は、身体の深層部の筋肉を鍛えることです。
身体の深層部の筋肉を鍛えることで、肩こりや腰痛が改善する、ダイエット効果が得られる、集中力が高まるなどの効果が得られることもあるでしょう。
日本では、瞑想といった精神鍛錬よりもエクササイズ性を重視したヨガも多いですし、どちらが自分に合っているかは実際に試してみないとわからないかもしれませんね。
ピラティスを効果的に行うには
ピラティスの効果を高めるためには、ピラティスの6つの基本概念を忠実に守る必要があります。
ピラティスの6つの基本概念とは、呼吸・センタリング・正確・コントロール・集中・フローです。
つまり、身体の中心部の筋肉であるコアマッスルを動かし、鍛えることを常に意識しながら、全ての動作を行います。
ピラティスは、長時間行うことよりも、いかに正確に流れるようになめらかに出来るかが重要になります。
そのためには、正しい呼吸法を完全にマスターすることと、動きを完全に覚えて、常にその部位に意識を集中出来る状態にしなければなりません。
いちいち「これでいいのかな?」などと考えながら行っていたのでは効果的にピラティスを行うことはできないのです。
呼吸法から細部にわたる動きまでを完全に、完璧に正確に行うことこそがピラティスを効果的に行うための目標です。
そのためにも、常に意識を集中出来る集中力を養い、いつも正しい呼吸法が出来るように自分を訓練していきましょう。
ピラティスの動きをマスターし、自分の筋肉を意識してコントロールできるようになれば、きっとその効果を実感できるようになるはずです。
ただ、ピラティスは出来るだけリラックスできる状態で、自分の体調に合わせて行わなければなりません。
無理をしてでも行えば効果が出るエクササイズではないので、焦らずに今の自分の状態に合わせて行ってください。
ピラティスの6つの基本(原理)とは
ピラティスには、6つの基本的な原理があります。
1.正しい呼吸
ピラティスの呼吸法は胸式呼吸です。
胸式呼吸とは、普段から意識せずに行っている普通の呼吸法なのですが、意識して完全に息を吐ききってから、今度は体全体に酸素を送り込むように呼吸をするという機会はほとんどないでしょう。
これを意識して行うことに意味があるのです。
2.身体の中心部を意識する
センタリングという言い方もします。
ピラティスでは、全てのエクササイズで体の中心を意識した動きを行うのが基本です。
常に身体の中心部を意識し、身体の中心から動きを起こすよう動くことで全身運動となります。
このような動きをすることで、特定部位にばかり負担をかける事をなくし、運動による故障を避けることが可能になります。
3.正確な動き
ピラティスでは常に「正確な動き」をすることを意識します。
たくさん運動するよりも、正確に運動することに意義があるのです。
また、一つ一つの細かい動作も全て意識を集中し「正しく動く」ことで、その効果がより大きく出るのです。
4.筋肉のコントロール
ピラティスでは、全ての動きを意識でコントロールするのが基本です。
ですから、どんな小さな細かい動きでも、その一つ一つに意識を集中して動作を行うように心がけます。
5.集中力
ピラティスでは細かい動作のすべてにまで意識を集中して行う必要がありますから、集中力を高めて身体を動かします。
6.流れるような動き
動きが止まらぬよう、流れるように一連の動作を行うのがピラティスです。